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※報告書中の「Japan Trip 2011」は「Japan Trip 2012」に置き換えください。
「日本のケースは取り上げたくてもできない。なぜなら、英語の情報があまりに少ないからだ。」 ハーバード公衆衛生大学院(HSPH: Harvard School of Public Health)を代表する、ある有名教授のコメントでした。 ハーバード大学公衆衛生大学院には、世界でも有数の優れた医療・公衆衛生システムを有している日本に対して関心を 寄せる教授や学生は多くいます。そして2011年3月11日東日本大震災、9月Lancet日本特集号など日本への公衆衛生、医療、 福祉分野での関心が、さらに高まってきています。しかしながら、言語的・地理的な問題から、その実態は必ずしも十分に 知られていないのが現状です。日本への理解を深めるためには、将来の公衆衛生分野のリーダーとなるハーバード大学公衆 衛生大学院の学生や研究者たちに日本の実態を知ってもらうだけでなく、我々自身が国際社会(特に公衆衛生分野)における 日本の役割を考えていくことが重要と考えます。 HSPHで学生と話していく中で、日本が世界に発信できるコンテンツとして、「超高齢化社会」というキーワードが浮かびました。 我々は歴史上、世界の誰もが経験していない超高齢化社会に突入し、今後数十年の間、世界の最先端に位置して、 日本の挑戦を各国が注視していくような状況になって行きます。つまり、「超高齢化社会」というトピックは、 日本が成し遂げた健康大国の一面だけでなく、現在から未来への我々の取り組みについても、日本が世界に発信できる コンテンツの一つとして挙げることができます。今回のTripでは、なぜ、このような高齢化社会に世界でも類を見ない スピードで突入していったのか、そして超高齢化社会に対する公衆衛生分野、医療・介護・福祉分野における取り組みや問題点、 この難問をどのように克服していくのか、各国の学生と一緒に考えて行きます。さらに、石巻、神戸という2つの被災地を訪れて、 公衆衛生システムや地域コミュニティの再構築が地域保健、特に高齢者へのサポートに対して、どのようなインパクトを 与えていくのかも追求したいと考えます。今回のトリップでは、帝京大学大学院公衆衛生学研究科と大阪大学医学系研究科 公衆衛生学教室より支援を頂き、各大学の学生や教員の方々と交流・議論しながらトリップを行う予定です。
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