事前セミナー3 "Toyota Production System and its Application in Healthcare"

3回目の事前勉強会は、トヨタ自動車の製造システムの保健分野への適用可能性について、前ハーバードビジネススクール講師で、現在Institute for Healthcare Improvementで研究をされているDr. Steven J. Spearから講義をいただきました。

セッションでは、トヨタシステムの強さについて、事故発生率の観点から分析とその強さの説明が行われました。参加者からはアメリカの自動車会社との比較や病院への応用の実績や将来性などの質問が熱心になされました。

テスト期間の1週間前という最も忙しい時期に加え、講師の時間上の都合から本校ではなくMITの教室をお借りして開催したのですが、立ち見が出るほどの満席となり、関心の高さが伺われました。


 




事前セミナー2 "Tokyo Sarin Attack"

2回目の事前勉強会は、1995年3月20日に発生したオウム真理教による地下鉄サリン事件のケースを取り扱いました。講師として、前陸上自衛隊西部方面総監部幕僚長の福山様(サリン事件の際には、出動連隊長としてサリンの除染を指揮)、HSPH, MGHで災害救助支援を教えているDr. Paul Biddinger、救急医療の専門家であるTakemi Fellowの永田様にお越しいただき、 積極的なディスカッションが行われました。

セッションでは、まず始めに、NHKが昨年放映した『Project X 〜挑戦者たち〜 「地下鉄サリン 救急医療チーム 最後の決断」』(第164回 2月8日放送)を上映し、サリン事件が発生したときに医療機関は何を行ったか、リーダーはどのように動いたかを勉強しました。その後、永田様および福山様から、ビデオで触れなかった事件の全体像についての説明が行われ、質疑応答が行われました。

緊急事態に面し通常診療をすべてストップさせ、すべての患者を受け入けると決断した聖路加病院・日野原理事長のリーダーシップや、非番にもかかわらずテレビで事件を見て5分で家を飛び出した看護師の責任感の高さなどは、学生にも強烈なインパクトを与えました。

参加者からは「なぜ、これだけ大規模なテロが発生したにもかかわらず死者12名の惨事ですんだのか、「この事件の後、日本の危機管理体制はどのようにかわったのか」「自衛隊、警察、救急、医療機関の連携はどのようになされていたのか」などの質問が熱心になされました。

なお、今回セミナーで用いたプロジェクトX・英語版については、NHK様と聖路加病院様に甚大なるご努力を頂き作成されたものです。この場をお借りして、ご支援・ご協力いただいたことに対して、深く感謝申し上げます。


 




事前セミナー1 "Introduction to Japanese Public Health System"

1回目の事前勉強会は、日本のPublic Health Systemの全体像を把握することを目的に、2/26の夕方に行われました。Japan Tripに参加する学生のほか、医療経済学の大家・ウィリアム・シャオ教授(写真上)や多くの学生や近隣病院の医師も参加し、 積極的なディスカッションが行われました。

まず始めに、JICAが製作している「日本の保健医療の変遷」のビデオを上映し、明治開国から戦前、戦時中、戦後、高度成長期、バブル期、現在と、時代の流れとともに日本の公衆衛生制度がどのように発展させてきたかを鑑賞しました。

その後、本校学生の江副さんから、日本の保健システムの現状と課題について、1時間程度のプレゼンが行われました。プレゼンでは、行政機関の構成、医師免許制度、診療報酬制度、健康保険制度、医療費、高齢化社会など、現在日本の保健制度をとりまく諸所の課題を端的に分かりやすく説明していただきました。


 


Information Session (12/7, 12/16) 

12月に2回にわたって、ジャパントリップのインフォメーションセッションを開催いたしました。両セッションとも教室は立ち見が出るほどの盛況で関心の高さが伺われました。

1回目のセッションでは、日本での勤務経験のあるMGHのグレッグ医師から、2回目のセッションでは本学のカワチ教授からプレゼンをいただき、活発なディスカッションも行われました。

その後、日本人学生によるジャパントリップの説明が行われました。あるアメリカの友人は「これはプレゼンではない。エンターテイメントだ」と後に述べているとおり、笑いあり、涙ありのプレゼンで大いに盛り上がりました。